サッカーを頑張る子どものやる気を引き出してあげたいと思うものの、どのような声かけを
すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもたちへの声かけにおいて、少年サッカーのコーチが心がけていることをお伝えします。保護者だからこそできるサポートもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
少年サッカーで必要な指導とは
少年サッカーで必要とされる指導は、子どもがサッカーを楽しみ、やる気を持って打ち込める環境をつくることです。子どもがサッカーに夢中になれる環境であれば、自ら「上手くなりたい」と前向きな気持ちになります。
コーチや保護者からの適切な声かけは、子どもにとって大きな力となるものです。タイミングを逃さず、子どものやる気を引き出せるような声かけや対応で指導・サポートができると良いですね。
サッカーの技術を教えたり身体や心を鍛えたりすることももちろん大切ですが、少年サッカーにおいては、まずは子どもがサッカーを好きになることが一番です。好きだからこそ「挑戦したい」、「チームの仲間と共に強くなりたい」といった気持ちが育まれ、技術面やコミュニケーション能力の成長にもつながります。
子どものやる気を引き出す声かけ
では、子どものやる気を引き出せる声かけとはどのようなものでしょうか。少年サッカーのコーチが心がけていることとして、以下の3つを紹介します。
- できたことを認める
- 改善点は具体的に伝える
- 子どもが自分で考える力を促す
子どもたちは、自分のことをしっかり見てくれていると感じられると、上手くいかなかったり失敗したりしても頑張ろうと思えるものです。良いところは十分認め、子どもが自信をつけられるような声かけをすることで、上達へのモチベーションアップにつながるでしょう。
できたことを認める
子どものやる気を引き出すには、プレーのなかで良かった部分を伝え、できたことを十分に認めることです。失敗してしまったときでも、まず伝えるのは積極的な姿勢や挑戦したことなど、ポジティブな面を褒めます。
たとえばプレー中であれば、ドリブルを仕掛けたりパスを出そうとしたりなど、選手が自分で意図してチャレンジした姿をしっかりと認め、「ナイスチャレンジ!」といった声かけをします。十分に認めたあとでもっと良くなるための方法を提案してあげると、子どもたちも受け入れやすく、次も頑張ろうと思えるでしょう。
改善点は具体的に伝える
子どものやる気を引き出すには、改善点は具体的に伝えることが大切です。ボールを取られたりシュートをはずしたりしたときは、結果を責めるのではなくミスの原因を選手が自分で考えられるような声かけをします。
「ちゃんと見て」「ちゃんとパスを出して」など、「ちゃんと」という声かけは、漠然としていて子どもは改善すべき場所がわからないままです。ドリブルやパスのときにボールを取られた場合であれば、ミスをしてしまった原因に注目できるよう声をかける必要があります。ボールの運び方・目線など、さまざまな要因があるなかで、何に気を付けるべきだったのかを伝えてあげると、子どもにもわかりやすいでしょう。
ただし具体的とは、答えを教えるという意味ではありません。選手の成長のためには、自分でミスの原因を考えられるように伝えることが大切です。
子どもが自分で考える力を促す
子どもが自分で考える力を促せるような声かけは、意欲を引き出すのに効果的です。ミスした原因は何か、どのようにすればうまくいくのかなどを、選手自身が考えられるような、「問いかける声かけ」をします。
たとえばパスがうまくいかなかった場合なら、「味方の動きは見ていた?」「パスの強さはどうだった?」など、選手自身が自分のプレーを振り返って原因を考えられるように促します。
サッカーは瞬間的に状況が変わり、選手一人ひとりの判断が大切なスポーツです。指示で動くのではなく自分で考えてプレーできるよう、「気付き」を与えてあげましょう。
子どものやる気を引き出すために保護者ができること
一生懸命サッカーに取り組む子どものやる気を引き出すには、保護者のサポートは欠かせません。保護者だからこそできることとして、以下の3つを紹介します。
- 頑張りを認める
- コーチや仲間のグチは一緒になって言わない
- 体調面を整える
子どもの成長を共に喜び、常に前向きな言葉をかけてあげてくださいね。
頑張りを認める
保護者ができることの一つは、なんといっても子どもの頑張りを認めることです。小さなことでも、努力した姿や成長したことがあればたくさん褒めてあげましょう。
リフティングの数が3回増えた、練習中積極的にボールを触ろうと動いていた、など些細なことであっても伝えてあげることで、子どもにとっては自信につながります。
試合に負けたときやミスをしてしまったときでも、まずは「頑張ったね」と認めてあげてください。
コーチや仲間のグチは一緒になって言わない
ときに子どもは、感情が高ぶってコーチや仲間のグチを言うこともあるかもしれませんが、保護者は一緒になって言わないように心がけましょう。子どもの話をしっかり聞いて、「悔しかったね」「辛かったね」と寄り添ってあげるだけで、気持ちは落ち着くはずです。
保護者が一緒になって批判すると、本人のなかで「コーチや仲間が悪い」となってしまい、根本的な解決にはならないまま信頼関係まで崩れてしまう可能性もあります。
まずは子どもの気持ちを受け入れ、解決するにはどうすれば良いか?を一緒に考える姿勢が大切です。
体調面を整える
子どもの体調面を整えることは、保護者だからこそできるサポートです。特に低年齢の子どもには、睡眠時間の確保や食事の管理など、自分ではまだコントロールが難しい部分は援助が必要です。
早めに就寝できるようスケジュールを見直したり、疲れている日の夕食は食べやすいものを用意したりなど、できる範囲で取り組んでみてください。
身体と心の健康が維持できれば、サッカーでのプレーやモチベーションアップにもつながりますよ。
まとめ
少年サッカーでは、何よりも子どもがサッカーを楽しめることが大切です。サッカーを楽しい・好きと感じられるからこそ挑戦心が生まれ、さまざまな面での成長につながるでしょう。
コーチや保護者からの適切な声かけは、子どもの自信をつけ、「もっと頑張ろう」とやる気を引き出せる大きな力になります。子どもができたことや頑張った姿は十分に認め、そのうえで改善点は具体的かつ自分で考えられるように伝えることがポイントです。
当チームでも、一人ひとりの個性を尊重しながら前向きな声かけを心がけ、選手が自分で考えながら良い結果へ行動できるような指導を行っています。今回ご紹介した内容を、ご家庭でもぜひ取り入れてみてくださいね。